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国語の記述問題が苦手な理由と、書けるようになる考え方

BY 富田哲郎 2026.01.22

先日、授業のあとにこんな声を聞きました。

「選択肢問題は合うのに、記述になると何を書けばいいのかわからなくなります」と。

実は、これはとても多い悩みなんです。

中学受験でも定期テストでも、国語の成績が安定しない子の多くが、この「記述問題」でつまずいています。

ただ、ここで最初にお伝えしておきたいことがあります。

国語の記述問題が苦手なのは、センスや才能の問題ではありません。

多くの場合、「どう書けば正解になるのか」というスキルを、まだ身につけていないだけなのです。

選択肢問題と記述問題は、同じ国語でも求められる力がまったく違います。

だから、選択肢が解けているのに記述だけ点が取れない、ということは当たり前に起こります。

このコラムでは、

なぜ国語の記述問題が苦手になりやすいのか、

そして、どうすれば安定して書けるようになるのかを、指導現場の視点から整理していきます。

記述問題に対する見方が少し変わるだけで、国語の学習はぐっと取り組みやすくなるのです。

国語の記述問題が苦手な子が多い本当の理由

私がこれまで多くの生徒を見てきて感じるのは、

「記述が苦手」という状態は、かなり誤解されているということです。

国語が苦手だから記述が書けない、と思われがちですが、

実際にはその逆で、記述の取り組み方がわからないまま放置されてきたというケースがほとんどなんです。

たとえば算数なら、

解き方がわからなければ公式や手順を教わりますよね。

ところが国語の記述になると、

「読めばわかるはず」「感じたことを書けばいい」といった、かなり曖昧な指導になりがちです。

その結果、

何をどう書けば正解になるのかがわからないまま、

時間だけが過ぎていくことになります。

記述問題が苦手になる最大の理由は、

評価される答えの形を、最初から教わっていないことなのです。


「文章は読めているのに書けない」状態とは

授業をしていると、こんな場面によく出会います。

こちらが

「この登場人物は、なぜこんな行動を取ったと思う?」

と聞くと、口ではきちんと説明できる。

ところが、いざ答案用紙に向かうと、

数行で止まってしまう。

あるいは、感想のような文章になってしまう。

これは不思議なことではありません。

読む力と、書く力は別のスキルだからです。

頭の中で理解できていることと、

採点者に伝わる形で書けることの間には、

実は大きなギャップがあります。

記述が苦手な子は、

「わかっているのに書けない」のではなく、

「答案として整える作業」を練習していないだけなんです。


記述問題が苦手な子に共通する3つのつまずき

記述問題で点が取れない子には、共通するつまずきがあります。

一つ目は、

設問が何を聞いているのかを整理していないことです。

理由なのか、気持ちなのか、変化なのか。

ここが曖昧なまま書き始めてしまいます。

二つ目は、

本文の言葉を使う意識が弱いことです。

自分の言葉で書こうとして、

本文から離れてしまうケースが多いんですね。

三つ目は、

文字数を意識せずに書いていることです。

短すぎたり、逆に話が広がりすぎたりして、

要点がぼやけてしまいます。

どれも能力の問題ではありません。

やり方を知らないまま、何となく書いてきた結果なのです。


国語の記述問題は「才能」ではなく「スキル」です

ここで、はっきりさせておきたいことがあります。

国語の記述問題は、

ひらめきや表現力を競うものではありません。

求められた条件を満たす文章を、安定して再現するスキルです。

算数で途中式を書くのと同じように、

国語の記述にも手順があります。

設問を分解し、

本文から必要な言葉を拾い、

それを並べ直して一文にする。

この流れを意識して練習すれば、

記述は「なんとなく」から「書けるもの」に変わっていきます。

記述問題が安定して書けるようになる子の共通点

記述問題が安定して書ける子を見ていると、

特別な語彙力や表現力を持っているわけではありません。

違いが出るのは、

書く前に何をしているかです。

まず、設問を読んだときに、

理由なのか、気持ちなのか、変化なのかをはっきりさせます。

そして、その条件に合う本文の箇所を探し、

線を引いたり、印をつけたりしながら材料を集めます。

書き始めるのは、そのあとです。

いきなり文章を書こうとせず、

「何を書くか」を先に決めている。

この順番を守っているかどうかで、

答案の安定感は大きく変わってきます。

記述が得意な子は、

書いているようで、実は整理してから書いているんですね。


家庭でできる記述対策で、やってはいけないこと

記述問題に関して、

保護者の方が不安になるのは自然なことだと思います。

ただ、よくある対応の中には、

かえって記述への苦手意識を強めてしまうものもあります。

たとえば、

「なんでここが書けないの?」と理由を聞くこと。

本人にとっては、書けない理由がわからないから困っているわけです。

また、

模範解答を見せて「こう書けばいい」と終わらせてしまうのも要注意です。

それでは、次に似た問題が出たときに、また手が止まってしまいます。

大切なのは、

書けなかった原因を、手順の中で確認することです。

どこで止まったのか。

設問なのか、本文なのか、まとめ方なのか。

ここを一緒に整理するだけでも、

記述への向き合い方はずいぶん変わります。


トミタ式が考える「記述が苦手な子」への正しいアプローチ

トミタ式では、

いきなり長い記述を書かせることはしません。

まずは、

設問の条件を正確につかむ練習。

次に、本文から使う言葉を抜き出す練習。

そして、それを短い文にまとめる練習。

この順番を大切にしています。

記述が苦手な子ほど、

「全部まとめてやろう」とすると混乱してしまいます。

だからこそ、作業を分けて考えるのです。

一つ一つは難しくありません。

ただ、これを意識的に繰り返すことで、

答案は少しずつ安定していきます。


まとめ:国語の記述問題は、練習の順番で決まります

国語の記述問題が苦手なのは、

能力やセンスの問題ではありません。

多くの場合、

練習の順番と視点が合っていないだけなのです。

何を書けばいいのかを整理し、

本文の言葉を使い、

条件に沿ってまとめる。

この基本を丁寧に積み重ねていけば、

記述問題は確実に変わっていきます。

国語は一朝一夕で伸びる教科ではありませんが、

正しい方法で続ければ、結果はきちんと表れます。

焦らず、今できるところから積み重ねていきましょう。

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