先日、ある保護者の方からこんなご相談をいただきました。
「今から国語を始めても間に合いますか? 小6になったら、もう遅いですよね…?」
この時期は、どうしても不安が大きくなりますよね。
結論から申し上げると、小学5年生の11〜12月は、国語を始める最高のタイミングなんです。
むしろ、この時期を逃すと国語の伸びしろを活かしきれないことが多いと感じています。
この時期が“最適”である理由
私が国語を指導していて強く思うのは、国語は知識の教科ではなく、スキルの教科であるということです。
算数のようにパターンを覚えるだけでは得点につながらず、文章をどう読むか、選択肢をどう吟味するかといった「読み方」を養っていく必要があります。
そして、この「スキルの積み重ね」には、どうしても時間が必要なんです。
ところが、小6に入ると算数・理科・社会の演習が一気に増え、国語の基礎を固める時間が取りにくくなります。
この“時間の壁”が、5年冬スタートを推したい最大の理由になります。
5年冬から始めた子が伸びやすい背景
読解力は、いくつかの要素が組み合わさって形成されます。
語彙力、要点把握、論理関係の読み取り、そして選択肢を比較する目。
どれも一気に伸ばせるものではなく、小さな練習の積み重ねが必要になります。
僕がこれまで指導してきた子たちも、冬の段階でスタートしたケースは、春以降の伸びが非常に安定している印象なんです。
土台がしっかりすることで、6年生の演習期に力を出し切れるようになるからです。
小6スタートでは難しくなる理由
もちろん、小6から国語を伸ばすことが不可能なわけではありません。
ただ、どうしても他の科目が重たくなります。算数は特殊算、理科は暗記と実験知識、社会は通史に入って一気に負担が増します。
その結果、
「国語は後回し」
「読む量が不足する」
「苦手意識が取れない」
という状態になりやすいんです。
だからこそ、5年後期に国語の基礎を整えておく意味は大きいのです。
この時期に始めると得られる3つの効果
5年冬に指導を開始した場合、次のようなメリットが自然と積み重なります。
・読解スキルの基礎が固まる
・家庭学習のリズムが安定する
・6年春から“演習モード”へスムーズに移れる
この3つが揃うと、偏差値の上下が少なくなり、得点の安定感が出てきます。
実際の指導では、こんな練習をします
僕の授業では、最初の2〜3ヶ月で読解の基礎をていねいに整えます。
たとえば、語彙の定着、要点の取り方、段落の役割、選択肢の作られ方など、テストでそのまま使えるスキルを意識して練習します。
抽象的な“国語力”ではなく、具体的に使える“読解スキル”に落とし込むことを大切にしているんです。
この時期のスタートには「心のゆとり」も生まれます
5年冬は、子どもにとっても保護者にとっても気持ちの負担が小さく、自然と学習が始めやすい時期なんです。
さらに、小6に上がるとどうしても指導枠が埋まりやすくなりますので、この時期に余裕を持って開始できるのは大きなメリットになります。
焦らず、落ち着いて始められるというのは、学習効果にも良い影響が出るんです。
よくあるご相談と、そのお答え
「読解が本当に苦手なんです…」
「何から始めればいいのかわかりません」
「今からでも間に合いますか?」
保護者の方から、このようなご相談をいただくことが多いです。
でも大丈夫です。国語は、正しい方法で積み重ねれば、どの子も必ず伸びます。
“今から”という選択が、来年の春以降の安定につながっていきます。
まとめ
国語はスキルの教科。
だからこそ、時間を確保できる5年冬のスタートが大きな力になるんです。
地道な積み重ねはすぐには見えませんが、春になると確かに成果が表れます。
焦らず、一歩ずつ積み重ねていきましょう。
次回は、具体的なスケジュールも交えて、なぜ小5のこの時期からの開始が最適なのかを解説します。




