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小5の11〜12月スタートが、国語にとって“最高のタイミング”である理由

BY 富田哲郎 2025.11.28

先日、ある保護者の方から「国語って、いつから始めれば間に合いますか?」と尋ねられました。
僕は現場で長く指導してきましたが、この質問に対しては、いつも同じ答えになります。
「小学5年生の11〜12月に始めるのが最も効果的です」 と。

ここには、国語という教科の性質に深く関わる理由があります。


国語が伸びるまでに時間が必要な理由

算数はパターン練習でスピード感を持って伸ばせますが、国語は読解スキルを積み上げる“技能科目”になります。


少しずつ育てていく性質があるため、どうしても時間が必要なんですよね。

小6に入ると、算数の演習量や理社の暗記が重くなってくるもの。
その中で国語にまとまった時間を確保するのは正直かなり難しく、ここでスタートを切ると余裕がなくなってしまうことが多いのです。

だからこそ、小5の11〜12月が「ちょうど間に合うタイミング」になるわけです。


最初の2〜3ヶ月で取り組む基礎づくり

この段階では、小3レベルの比較的やさしい問題集を使い、線引きの仕方、設問の読み取り方といった基礎の型を入れていきます。

ただ、この時期は成績に変化が出ません。
模試を解けるようにもなりませんし、保護者の方から見ると「本当に伸びるのかな?」と不安になる期間でもあります。

でも、ここで焦らないことが何より大切です!

国語は、目に見える結果よりも前に“読む目”をつくる時間が必要になります。
この土台があるかどうかで、その後の伸びが大きく変わっていくのです。


4〜6ヶ月で文章レベルを引き上げる

基礎ができてくると、小4〜小5レベルの文章に移行します。
線引きの精度が上がり、設問の処理も安定していくため、「読めてきた」という手ごたえが少しずつ出始めます。この頃から、模試の成績も動き始めます。
半年ほどで塾のテキストに届きそうなラインに乗れるのが、この段階なんですね。

小6直前にここまで持っていけるかどうかで、受験本番の余裕がまったく違います。


7〜9ヶ月で塾のレベルに近づく時期

この頃になると、読解の持久力がつき、塾で扱われる文章にも耐えられるようになります。
過去問の一部に触れ始めることで、応用スキルも育っていきます。

文章構造の把握や、抽象と具体の読み分け、選択肢の判断など、受験本番に必要なスキルがまとまって身につくのがこの時期です。

ここまで来ると、本人も「国語が苦手じゃなくなってきた」と感じ始めることが多いんです。


10〜12ヶ月で模試・塾の点を取りに行くフェーズ

この段階になると、時間配分や設問の優先順位を考えながら解けるようになります。
安定して点を取りに行けるようになり、模試でも成績を反映させやすくなっていきます。

国語が安定すると、他の科目でも余裕が出ます。
算数や理社にしっかり時間が使えるので、受験全体のバランスが整ってくるのです。

小6の春にこの状態に入れると、学習全体の流れがとても良くなります。

小6スタートが難しい理由

もちろん、短期間で引き上げることもできます。
3〜4ヶ月で塾テキストに追いつくことも、不可能ではありません。

ただ、負担が高く、想定どおりに伸びなかった場合のリスクが大きいことが問題なんです。

特に国語が苦手な子は、伸びるまでの“必要時間”が読みにくい傾向があります。
だから、小6に入ってから「間に合わせる」のは、かなり不安定な戦い方になってしまうのです。

小5の11〜12月スタートがベストである理由

・読解スキルが伸びるサイクル(半年〜1年)を無理なく回せる
・小6で他科目に集中できる
・枠が確保しやすく、丁寧な指導計画が立てられる
・想定外の停滞があっても調整できる
・国語ができる子は、その後の学習全体がずっと安定する

こうした理由から、小5の冬は“最も回収率の良いスタートライン”になるのです。


まとめ

国語は知識ではなくスキルの教科です。
だからこそ時間をかけて育てる必要があります。

小5の11〜12月に始めると、無理なく着実に積み上げられる“伸びのサイクル”にのることができます。
このタイミングで読解力の土台を固めておくと、小6の学習全体が驚くほど安定します。

焦らず、しかし確実に。
この冬の一歩が、来年の大きな伸びにつながっていきます。

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